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調和トラスト国際特許事務所

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コラム:「IPランドスケープ」とはどのようなものか?

IPランドスケープ」は、従来から行われている特許調査や特許情報分析と何が違うのでしょうか。

IPランドスケープ」という用語の定義が一義的に決められているわけではありませんが、要となるのは、知財情報・戦略を、企業経営や事業戦略、研究開発などに積極的に組み込んでいくことによって、事業の競争力を強化したり、経営上のリスクを低減したりするところにあります。したがって、IPランドスケープにおいても、最終的な目的は、経営、事業に資するということであり、知財の活用推進が叫ばれるようになって以来言われてきたことと大きく異なるものではありません。

しかし、IPランドスケープと言う場合には、単に知財に関するランキング、分類などをグラフ化し、知財業界の内輪話でクローズしてしまうのではなく、知財情報・戦略を積極的に経営に組み込んでいくために、知財情報以外の技術情報、市場情報、経営情報なども積極的に加味した解析、提案、活動を行い、知財と経営とのギャップを埋め、知財を経営にしっかりとリンクさせることがより強く求められています。したがって、IPランドスケープでは、特許調査、特許情報分析は手段の一部という位置づけになるでしょう。IPランドスケープは、特許調査、特許情報分析等の知財情報をベースとした高度な解析を行い、そこから更に経営サイドの領域に踏み込んで行き、経営の一体不可分な一部となって事業に資することを目指していると言えるかもしれません。

<参考>「企業の知財戦略の変化や産業構造変革等に適応した知財人材スキル標準のあり方に関する調査研究報告書」(平成28年度 特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書 改訂Ver. 2.020172月)では、IPランドスケープについて、「自社、競合他社、市場の研究開発、経営戦略等の動向及び個別特許等の技術情報を含み、自社の市場ポジションについて現状の俯瞰・将来の展望等を示すものである。」などの説明がなされています。

(コラム執筆者:寺崎 20185月10日